GWの足音も近づいてきて、そろそろ次回のツーリングプランも詰めていきたいところですね。
さてさて、紀伊半島ツーリング最終回です!今回は熊野本宮大社から十津川村を抜けて奈良方面へと走ります。

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厳かなる雰囲気を纏う熊野本宮大社を出て、駐車場へと戻ります。
っと、隣に一台オートバイが増えていますね・・・って浜松ナンバーじゃんか。なんか一気に地元に帰ってきた感が(笑)
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どこにでも現れるな浜松ナンバー・・・やっぱし日本の真ん中だからでしょうか?
年季の入ったXT250、カッコよかったです。バッグにツーマプだけってスタイルにもシンパシー感じちゃいます。
この日はとてもよく晴れていたので、こんな風に他方のナンバーのオートバイもたくさん見かけました。

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一路、ハンドルを北に向けて。和歌山県から奈良県に突入し「日本一大きな村」十津川村へと入ります。
何気に奈良県へのオートバイでの進出は初めてです・・・!もっと言えば和歌山も初めてだったんですが・・・(笑)

十津川村につきましては、リンク先にあります「轍の途中で」の沢庵900様がとても詳しく紹介されており、
それもあって、ずっと走ってみたかったんですよね。(今回も事前にいろいろ相談させてもらってました)
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十津川村を抜けるR168は川を横目に山を突っ切る快走路。
時折道幅がグッと狭まる断崖絶壁ポイントはあれど、基本的にはライディングがとても楽しい素晴らしい道です。
春の陽気を全身に浴びながら大自然を満喫する・・・!かーっ!これだからオートバイの旅はやめられないのだ!

これは万里の長城か・・・!?
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昔ながらの道線を持ちながらも、時折「山に杭をぶっ刺した」ようなバイパス路も現れる懐の深さよ・・・。
川沿いを走るという点ではR152にも似たものを感じますが、アレよりも何というか道の造りが自由です(笑)

しばらく走って道の駅 十津川郷で休憩。ここに来たらやっぱしアレ食わなきゃならんですよね。
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そう、めはり寿司!熊野地方から奈良県の吉野地方にかけての郷土料理です。

沢庵さんのBlog読んでから、絶対これは食わんと!と狙ってましたが何とかラスト一個を無事にゲットできました。
中身は非常にシンプルで、寿司と言いつつも実態はおにぎり。塩漬けの高菜でぐるっと巻いてあるのが特徴です。
3個で350円だったかな?そこそこ大きさもあり昼飯には丁度良かったです。高菜がシャキシャキで食感も楽しい!

それと隣で売っていた串こんにゃくも購入。じっくり5時間煮込んだ・・・という触れ込みですが・・・
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これまためちゃくちゃ美味しかったです。アツアツでプリップリ!噛むと溢れる煮込み汁・・・!
正直、こんにゃくってあんまり好きな食べ物じゃなかったんですけど、そんな概念が180度変わる美味しさでした。
このこんにゃく食べるためだけに十津川村来てもいいかなってくらいです(笑) 本当にうまかったなぁ。

なんだか今回、結構郷土料理とか名産物を食べられてる気がする・・・!なんかちゃんとしたツーレポみたいだ!

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そして十津川村と言えばもう一つ、「温泉」が有名。
中心地付近にはいくつかの源泉が集まっており、村内でも様々な泉質のお湯を楽しむことが出来ます。

本当は湯めぐりをしたいくらいの気持ちだったのですが、時間のこともあるので今回は「温泉地温泉」を味わう!
道の駅直ぐ近く、公共浴場「泉湯」で存分に身体を温めて、この先の長丁場に備えましょう!
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川沿いの集落にひっそりとたたずむ温泉。公衆浴場という扱いもあってかなりこじんまりした印象です。
ウイルス対策のために入場制限が掛かっていましたが、確認取ってギリギリOK!絶対入りたかったので良かったです。

「温泉地温泉」全体の泉質としては単純硫黄泉。脱衣所に入ると既に漂う硫黄の香り・・・これこれ!
ザ・温泉って感じで大好きなんですよね~。十津川温泉の方はNa-炭酸水素塩泉なので割とありきたりなんです。
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こんこんと湧き出るアツアツのお湯・・・いやぁ、やっぱこの季節のお風呂は最高ですなぁ。
長旅の疲れも癒されて、そのまま溶けてしまいそうな心地よさです・・・。ああ、もう帰るの面倒くせぇ・・・(笑)
露天風呂でボケーッと空を見つめて飛行機雲を追ったり、時間を忘れてのんびり浸かりました・・・。

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アー気持ちよかった。若干のぼせ頭ですが次へと参りましょう。
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うーん周り全部山。この十津川村の立地条件をとても分かりやすく表した図です。
どの市街地からも奥深く、秘境ムードが溢るる土地。静岡で例えるならばオクシズや水窪みたいな雰囲気ですね。
でも意外なのがこの規模の河川なのにダムが少ないこと。あんまり荒れたりはしないのかな?

山を切り拓くようにR168を北進。流れも至ってスムーズでサイコーの気分です。
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ほんとによく晴れてたなぁ・・・有給取った甲斐がありました。明日も休みだし・・・。
「十津川村はどこを走っても大抵楽しい」と聞いてはいましたが、確かにその言葉に嘘は無かったです。

さて、1時間ほど走ってR168から県道53号へと移動。今回のツーリング、最後の目的地へと向かいます。
県道53は打って変わって隘路を進むカンジに。うーん、紀伊半島内陸部の真の姿はこちらなのかもしれない(笑)
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途中人家が現れては消えを繰り返し、この先に本当に目的地があるのかちょっと不安になったり。
こういう道を走り慣れていないわけでは無いのだけれど、見知らぬ土地で出会うとなかなかギョッとします(汗)

で、20分くらい走るとようやく大きめの集落が見えてきました。奈良県天川村です。
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「大きめ」といっても通り過ぎてきた集落と比べては、なのも小さなコミュニティに変わりはありません。
周囲を森で囲まれた、どこか懐かしい街並みが残るとっても長閑な村です。

そんな田舎町の天川村に何の用があるかと言いますと・・・。
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こちらの「天河大辨財天社」に訪れたかったのです。天河神社とも呼ばれますね。

ごく個人的な話なんですが、まだ小学校に入る前の時に一回家族旅行で訪れたことがあるんですよね~。
今回はその思い出を辿ってみようという趣向です。まぁ正直なところほとんど覚えてないんですけどね(笑)
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立派で鮮やかな鳥居。周囲の緑とのコントラストが眩しいですね。
そういえば、なんとなく記憶にあるような?以前来た時は夏かなんかで、丁度お祭りをやっていたような気がします。

天河神社、正式には「大峯本宮 天河大辨財天社」の創建は今からおよそ1,500年前の飛鳥時代まで遡ります。
御祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。神仏習合からは弁財天様としても信仰されている、水の神様です。

そして弁財天様は芸能の神様でもあるわけで。特に能楽との関わりがとても深いことで有名。
社にはいくつもの能装束や能面、謡曲本などが収蔵され、日本の能楽史を語るには切っても切れない聖地なのです。
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拝殿には能舞台。年に3回、能の奉納が行われるらしいです。

実は管理人、能を習っていた時期がありまして・・・。なので、これも一つの「巡礼」にあたるのかもしれません。
多分、前回旅行に来た時もこういう理由だったんだろうなと思います。ウチの母親がかなりの熟練ですから・・・。
(聞いたところ母に至っては過去3度、大舞台を踏む前と後にこの天河神社にお参りに来たそうです。)
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ウイルス対策か鈴緒は仕舞われてしまっていました。早くこんな世の中からオサラバしたいですね。
特に芸能の関係者ではありませんので、無難に今後の健康祈願と帰り道の交通安全をお願いしておきました。

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さて、神様にご挨拶も済ませましたのでそろそろ帰路に着こうかと思います。現在時刻は14時ピッタリ。
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ここからは基本的に寄り道無しで奈良市街方面へ抜けて、そのまま名阪国道の針ICを目指します。
沢庵さんによるとざっくり2時間程度の距離とのことですので、着くのは16時頃かな?丁度良さそうですね。

ガソリンが心許なかったので吉野あたりで給油。結果的にこれが最後の給油となりました。
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心地よい関西弁のオネーチャンが入れてくれました。うーん、方言っていいなぁ・・・。

トリップ295.9kmで13L。平均燃費は22.6km/Lとなかなか良好。しかしやっぱりナナハンよりは走らないという・・・。
排気量故にしょうがないのかなぁ。頑張って24km/Lくらいは走ってもらいたいもんなんですが。。
タンクが大きいので航続距離自体に不満は無いんですけどねぇ。無給油で300kmは確実に走れるのは強いです。

吉野の桜を横目で見つつ、渋滞にもハマったりして16時ちょっと前に針ICへ到着。
関西ライダーがほぼ100%行くという「針T・R・S」に初めて潜入しましたが・・・普通の休日なのにオートバイの量!
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何かイベントでもやってんの?ってくらい沢山いてビックリしちゃいました。
流石関西の「宮ケ瀬」。こんなにオートバイで賑わってる道の駅を見たのは関東に住んでいたとき以来です。

まぁ、管理人はあんまり混んでるとこは好きでは無いのでトイレだけ済ませてサクッと撤退しましたが・・・。
新しそうな名前とは裏腹に、地味に施設に年季が入ってるとこがなかなかの萌えポイントでした。(01年開駅らしい)

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名阪国道をバーッと走り、あとはずっと高速道路で浜松を目指します。
この名阪国道が本当に便利でした。こんな高規格な道路がタダ!?信じられません。関西人はホント太っ腹やなぁ。
(これ知ったあとに静岡のBP走るとね・・・あまりのショボさに悲しくなってしまいました。特に藤枝BP!お前だよ!)
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亀山JCTから東名阪自動車道に入り、多少の渋滞に捕まりながらも順調に歩を進めていきます。
日がだいぶ傾いてきて寒くなってきたので、御在所SAでしっかり中綿を着込んで再出発。3月は寒暖差が激しいね。
なんかお土産でも買おうかと思ったけど、やたら混んでたのでやめました。(→こいつすぐ諦めんな)

四日市JCTで東名阪から伊勢湾岸道。名港トリトンで横風と闘いながら、豊明ICを抜けるともうホーム感です(笑)
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最後に新東名の岡崎SAで休憩。お土産に手羽を買って、最後のスパートに備えて力を蓄えます。
さぁ・・・長い長い旅ももうそろそろおしまい。ほんの少しの寂しさと、自宅へ帰る安心感が交錯する瞬間です。
本当に今回はたくさん走ったな。バンディットもお疲れ様です。帰ったら洗ってやるからね。

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そして19時過ぎ、無事に帰宅。あー!疲れた!でも楽しかった!
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2日間の総走行距離は870km!途中フェリーでのショートカットもあったけど、よく頑張りました!
しかし驚いたのは針から浜松まで約3時間来られたこと。しかも休日ETC割で約2,500円というリーズナブルさ。
そう考えると、意外と関西は近い・・・?これからのプラン作成に対しての大きなデータを得ることが出来ました。

2日目の道のりはこんな感じで終了。
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やっぱし新宮からの大回りが効いて500km超のロングランとなりましたね。
地図で見ると結構な距離だけど、疲労感も少ないままに時間的にも無理なく回れたので良かったかな・・・。

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さて、4回にわたってお送りしてきた紀伊半島・奈良ツーリング。いかがでしたでしょうか?
大いなる自然が生み出す景色たち、熊野信仰の足跡、そして郷土料理・・・どれもが素晴らしいものばかりでした。
しかしまだまだ満足しきれない、訪れれば訪れるほどに深みが増す・・・それが紀伊半島の魅力かと思います。
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白浜から先、御坊や和歌山市街の風景。そして紀伊山地の更なるディープな面など見てみたいものはまだまだ沢山。
いやはや、再び「楽しい宿題」を課せられてしまいました。この問題が解けるのは10年先か、20年先か。

熊野へ参るには
紀路と伊勢路のどれ近し どれ遠し
広大慈悲の道なれば
紀路も伊勢路も遠からず


きっとまた、近いうちに答えを見つけに走ることでしょう。

~了~