~あらすじ~
ツーリングは二日目、初日は能登半島を反時計回りに輪島まで。そして今日は輪島から半島を抜け加賀へと向かいます。
無い文章力を写真量でカバー、ってことで今回も写真多めです。記事自体も長いので時間のある時に読んでくださいね。

ホテルの堅いベッドで適度に眠り、輪島での朝を迎えます。
今日の天候は晴れ時々曇り。能登半島は雲が多いようですが、これから向かう金沢方面はすっきりと晴れているようです。
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青空は覗いていますが、なんとも微妙な天候です。
とりあえず雨は降らなそうなので一安心ですが、しばらくは雲とランデヴーをしなければいけなさそうだ。

今日も能登半島沿いを走っていきます。R249から県道38号へ
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能登半島の断崖絶壁を通る県38号。曇りの天候と相まってオドロオドロしい雰囲気が漂います。
晴れていれば半島を一望できるであろう「ぞうぞう鼻」の展望台も、今にも殺人事件が起こりそうなムード。
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道中も日本海の強い風にあおられて、飛ばされてしまいそう。二日目にして洗礼を受けています。
路面状況は写真の通り。センターライン無しの対面一車線で、グネグネと岸壁に沿った険しい道が延々と続きます。

しばらく走っていると西保の竹垣とやらに着きました。
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日本海の厳しい風雨に打ち勝つため、高くそびえる竹垣が奥までずっと連なっています。
奥能登のこの周辺に昔から伝わる知恵だそうで、未だに残っているのは珍しいのだとか。(観光向けだとは思いますが)

この集落もそうですが、この道を走っているとこういったひなびた漁村が要所要所に現れて、目を楽しませてくれます。
昔ながらの・・・というか、昔のままの姿で残っているので何とも言えないノスタルジーに苛まれますなぁ。

県38から再びR249へ。内陸側を少し走り、道の駅 とぎ海街道
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買い物をしたら硬券切符を貰いました。開業15周年の記念らしいです、ラッキー?
半島で最後に寄った道の駅なのですが、各地方の土産物が揃っていてかなり重宝しました。輪島塗の箸と珠洲の塩を購入。

で、この道の駅の隣には「世界一長いベンチ」なるものがあります。
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確かに長い。長すぎてもはやベンチに見えない。
全長は460メートル、ちゃんとギネス記録にも登録されている正真正銘の「世界一」です
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しかしながら、居るのは自分ひとり。さみしい。
晴れた週末の夕方とかなら沢山人がいるんでしょうが、平日の曇りの朝にわざわざ来るヤツなんかいないよな・・・。

先を急ぎます。そのままR249を進み、道の駅 のと千里浜へ到着。
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開業から年数が浅いのか、近代的な設計でパリッと仕上がった綺麗な道の駅でしたね~。
これからどこを走るか、ライダーの皆さんならもう察しがついたかと思いますが、その本編に進む前に腹ごしらえしましょ。

のとししカレーパン(200円)
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畑を荒らす猪を「害獣」ではなく「特産の食材」として昇華するプロジェクトの一環としてつくられた「猪肉入りカレーパン」です。
猪肉の食感がしっかりしてて食べ応えがある、普通にうまいカレーパンでした。ごちそーさんです。

さてさて、それでは行ってみましょうか。
このツーリングでのハイライト「千里浜なぎさドライブウェイ」です。 説明は不要かと思います。
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うお~!本当に浜を走れる!海が近い近い!
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ちょうどドライブウェイに着いたあたりで日が出てきて、いい感じの写真を撮ることができました。
夕日を眺めながら・・・とかだともっとシチュエーション的には美味しいのですが、こればかりは仕方ないね。

ここでなぎさドライブウェイ豆知識。 ツーマプには「路面が堅く締まっており大型バイクでも通れる」とありますが・・・。
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実際走ると、結構埋まります。 砂が乾いているところを通ると普通にハンドルがとられるので、注意が必要。
重量車やカリカリのロードバイクだとかなり気を使わないと危ないかもしれません。

日本海だぜイエーイ
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あ、それと。スタンドでバイクを立たせると無慈悲に埋まっていくので何かしらの対策が必要です。
今回は事前にスタンド用のプレートを買っておきました、がそもそもGSX-Rはスタンドが立ちすぎてるので板を挟むと逆側に倒れそうでヒヤヒヤです(汗

道としてはこんな感じ。一応車線らしきものはあるんですが、みんな結構自由に走ってます。
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でも、あんまり浜に近づきすぎると砂が柔らかいので危ないし、逆に離れすぎても砂が乾いていて埋まるので注意。
クルマが走っているところが必ずしもオートバイ向けの路面とは限らないので、ゆっくり状況を見極めて走りましょう。

なぎさドライブウェイを抜けて、流れの速いバイパス道で金沢へと向かいます。
目的は兼六園!日本三名園にも数えられるほどですから、さすがのワタクシでも知っています。
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R8バイパスとR159(通称:山側環状)を使って一気にワープ。あっという間に辿り着きました。
GSX-Rを無料の駐輪場に停めて、すこし散策をします。(このあたり、ありがたいね!クルマだったら相当苦労しそうです)
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うーん・・・
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これはまぁなんとも・・・
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正直、庭園の善し悪しが分かるほどに止ん事無い生活をしてないから分からん・・・

でも、繁華街の一角にこんな空間が残ってるんだからスゴイよなぁ。街と歴史的建造物の一体化がスマートに行われている・・・!
ビルだらけの雑多な景観に突然城が現れる浜松市とは大違いだ。リスペクトの度合いが違うぜ。

とりあえず寄ったよ!ってことで、一時間ほどで離脱です。
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R8バイパス沿いの道の駅 こまつ木場潟で遅めの昼食。大麦和風らーめん
出汁のせいなのか、はたまた大麦の麺の特徴なのか分かりませんが、甘くて不思議な味でした。でもうまかった。
かまぼこも可愛いね。石川の道の駅はどれも個性を出そうと頑張っていて、訪れる側としても楽しいです。

少しの休憩後、再びR8バイパスで小松市街を過ぎて、ようやく本日第3の目的地に到着~!
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クルマ好きとあれば、一度は行ってみたかった「日本自動車博物館」です。
実は、ここに行きたいがために1泊2日が2泊3日になりました(汗

この博物館の魅力は何と言っても車両の貯蔵量!
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古今東西のクルマとオートバイが3フロアに渡ってギューギュー詰めに展示されています!
以前、茂木のコレクションホールを訪問した時もあれはあれで驚きましたが、こちらはさらにインパクトが強いですね~。

とりあえず、特に気になった車種だけをご紹介。(一つ一つフィーチャーしてたら永遠に終わりません!)
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ザガート・ガビア(’93)
ステルビオの方は奇抜なフェンダーミラーなどの印象が強く、それなりに名が通っていますがガビアは相っ当に珍しい!
多分国内に残ってるのってこの個体だけなんじゃないでしょうか!?
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オーテックとザガートが手を組んで作り上げたステルビオ(黒い方ね)、をベースにザガート社がリプロダクトしたのがガビアです。
全世界30台限定で生産され、うち16台が国内に輸入された模様。当時のプライスとしては日本円で800万円程だったとか
(直接関係ないんですが、黒のステルビオってのもかなり珍しいですよねぇ。赤色しか見たことないです)
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ベース車はF31のレパード(あぶ刑事でおなじみのアレね)ですが、面影は全くありません。
ヘッドランプはS13系シルビアのプロジェクタータイプでしょうか?モチっとしたフロントフェンダーもいいっスねぇ。
最初の写真でも分かる通り、ザガート伝統の「ダブルバブル」もしっかりと表現されています。

セールス的には大失敗とされているガビア(ステルビオ)ですが、
今となってはその儚いエピソードがこのクルマの希少価値を高めている・・・何とも皮肉なものです。
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マツダ・コスモL(’77)
頭の先からつま先まで、むせ返るようなオーラを放つ一台。
これぞマツダ流高級車の世界。地方の安キャバレーも裸足で逃げ出すようなケバケバしさがたまりません。
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なんてったって白のレザートップだぜ?
どうあがいてもカタギになりきれないのは土地柄でしょうか?売る方も売る方だけど買う方も買う方だよなぁ(全方位的にゴメンナサイ)
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テールランプなんかベンツ(「メルセデス」じゃなくてここは「ベンツ」と言いたい)のミドルシリーズそっくりです。
すげぇ、すげぇよ東洋工業。こんなクルマ誰が買うんだ?(本当にゴメンナサイ)
そんなクルマまでしっかりと貯蔵している、日本自動車博物館の懐の深さにも驚かされるばかりです。
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ベルトーネ・リトモ・カブリオ(’81)
エンスージアストにはお馴染み、フィアット・リトモ。そのオープン仕様です。
イタリア大衆車のオープンとなるとカプリ島観光用に専用架装されたものかと思ってしまいますが、これはカタログモデル。
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架装と販売はフィアットではなく、カロッツェリア・ベルトーネ。
過去、ベルトーネブランドで販売されたこういったモデルとしてはX1/9などが有名ですが、リトモもそうだったんですね~
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ベルトーネのエンブレムが誇らし気です。
そもそも、リトモのデザインはベルト―ネの作品だったそうで、その縁もあってこういった販売ルートがとられたんでしょうね。
ちなみに日本にも少数ながら輸入されたとか。いつかどこかのイベントで見ることができるかもしれませんね!


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とまぁ、そんな具合で閉館までじっくり粘らせてもらいました。
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いやぁ、すごかった。侮り難し日本自動車博物館・・・。
展示内容が「質より量」と言った感じで、いい意味で企業ミュージアムのように「ちゃんとしてない」ので見物し甲斐がありました。

午後3時から閉館の5時まで2時間の予定で回ったんですが、膨大な貯蔵量に無念のタイムアップ!
「これはイベントで見られるからパス!」「これは座間車庫に多分あるからパス!」といった具合に取捨選択を迫られることに・・・。
次回要リベンジですね。ここは半日くらい居ないと全部楽しめないわ・・・。

大満足の気分で再びR8へ。今宵のお宿へと向かいます。
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2泊目は大聖寺駅前のアパホテル。駅よりデカいとはこれ如何に
オートバイはご好意で従業員駐車場の方に停めさせてもらいました。ありがとうございます。
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そしてなぜか今夜もダブル・・・。ツイてる?憑いてる?
実はアパホテルは初めてだったんですが、全体的に小奇麗だし、部屋のテレビも大きくていいですね。こっちも常宿化かなぁ。
(でも朝風呂に入れないのは残念。ルートインだとド早朝からチェックアウト時間まで大浴場が空いてるんですけどねぇ・・・)
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おゆはんは地元のスーパーで買ってきたがんどぶりの刺身とイカの握り寿司パックを頂きます。
ここにきてようやく地元の魚ですよ~。季節とは少し離れていますが、身がキュッと締まっていておいしいブリでした。

いやぁ~、今日は思いっきり観光してしまったなぁ。
さて、明日はどうやって帰ろうか。行きたいところはまだあるし、うまい妥協点を見つけて帰路に着かなければいけません。

ツーリングマップルを睨みながら、加賀の夜は更けていく・・・